事業年度が1年の法人の場合には、前期の法人税の年間納税額が20万円を超えると、翌年半期で中間申告と納付をしなければなりません。

例えば事業年度が4月1日から3月31日までの法人の場合には、4月1日から9月30日までの上半期で中間申告となりますので、その2ヶ月後の11月30日までに中間申告書を作成して申告そして納付を行うことになります。

もちろん原則的には通常の決算と同様に、半年分の経理データをまとめて、半年分の減価償却などを計算して、9月末日現在ので売掛金や買掛金、未収金や未払金などを発生主義で計上して、決算報告書と一緒に科目明細書や別表を作成しなけばなりません。

しかし決算書と一緒に送付されて来る納付書に、前期の年間納税額の半額を記載して、その金額を11月30日までに納付した場合には、前期の半分の内容で中間申告書を提出したものとみなされます。(法人税法第73条

このみなしの中間申告による方法には利点と欠点があります。
 利点:申告書の作成の手間が省ける
 欠点:実際には半期で赤字のため納税義務が無い場合でも納税しなければならない

ですから前期の半年分の納税をすることができるだけ、資金繰りに余裕があるかどうかの確認を前もって行っておくことはとても大切です。

この半年分の納税額はあくまでも仮払いですから、実際には3月の年間の決算の際にその年度分の年間納税額を計算して、そこから仮払い分の金額を差し引いた額だけを5月末までに納めれば良いことになりますので、資金繰りに余裕があるならば前払いをしておいた方が年度末に大きな納税額を心配しないで済みますから、精神的にも安心です。

逆に仮払いの金額が年間納税額よりも多かった場合には、その払いすぎた分の金額は決算後通常1ヶ月程度の間に戻って来ますし、その金額には法定金利分(現状年利4.3%)が加算されますので、資金繰りに余裕がある場合にはとりあえず払っておきますと、金融機関に半年間の定期預金をするよりも良い利回りとなります。

法人税の中間申告書