昨日一昨日と2日に渡って改正税法の説明をさせていただきましたので、今日は実務的な対応についてお話しいたします。

同じ事業年度で同じ耐用年数の定率法について2つの償却率が存在するということは、計算ミスなどを生じる可能性が高くなりますし、将来の事業計画を立てる上でも各事業年度の償却限度額を計算することが煩雑にもなりますので、できることならばどちらか1つの償却率に統一したいと思うのではないでしょうか。

改正事業年度内に取得した資産については届出無しに250%定率法を適用できますし、逆に200%定率法を適用したい場合にはその届出書は決算書の提出期限までに提出すれば良いわけですから、今年の4月1日を跨いで現在進行している事業年度においては、事業年度が終了して決算をまとめるとき猶予があることになります。

例えば今期は利益が出たので納税額を抑えたいということであれば、これまでの250%定率法を適用することで償却限度額が1.25倍(250%/200%)大きくなりますから、その分だけ節税をすることができます。

逆に損失が出て少しでも赤字の幅を小さくしたいということであれば、決算書と一緒に届出書を提出することで、200%定率法を適用して償却限度額を80%(200%/250%)に抑えることができます。

この改正に伴いまして、減価償却や資産管理用の会計プログラムもそれぞれ改訂版を発売しておりますので、税理士などに依頼せず自社で決算書類の作成を行っておられます場合には、最新版のプログラムをご用意いただきまして、どちらの償却率を適用することの損得比較や将来の事業計画のための来期以後の償却限度額のシミュレーションなどに、ご利用いただくのがよろしいかと思います。

魔法陣六訂版